こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/23/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate / Important: CVE-2019-14814)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-16714)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-14821)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-14835)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(Critical: CVE-2019-15504, CVE-2019-15505)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2019-14814 | Linux Kernel < 5.3 | Red Hat: Moderate SuSE: Important NVD: High | Red Hat: CVSS 5.5 / CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H SuSE: CVSS 7.2 Important / AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C NVD: CVSS 7.8 HIGH/ AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-14814
- ローカルユーザによるDoSの可能性
- 5.3より前のLinux Kernelでは、marvell wifi chip ドライバにヒープベースバッファーオーバーフローの問題があり、ローカルユーザがDoS(システムクラッシュ)を引き起こしたり任意のコードを実行できる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
2019/09/30(月) 19:00-21:00に「OSSセキュリティ技術の会 第六回勉強会(副題:大紅帽八連制覇の巻)」と題しまして、Red Hat Enterprise Linux 8のセキュリティに特化した話をさせて頂きます。
また、先日サンディエゴで開催されましたLinux Security Summit 2019の情報共有も行う予定です。
プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、https://secureoss-sig.connpass.com/event/145125/をご覧下さい。
皆様の申込みをお待ちしております。
セミナー情報2
Red Hat Enterprise Linux 8 が発表され、今後のクラウドネイティブアプリケーションの基盤としてなくてはならないOSになると言われています。この重要なRHEL8を技術的に深堀りして、得た知見を共有するための場を用意したいと考え、「令和初のRHELを技術的に深堀りしましょう」としてイベントを行います。
前半はビジネス向けのTipsセミナーを行い、後半はネットワーキングとより深堀りしたディープな技術セッションを飲みながら会話をしながらお楽しみ頂けたらと考えております。
今後、このイベントはオープンにコミュニティーとして運用を行う予定です。 ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。
こちらから申し込みが可能です。今後、このイベントはオープンにコミュニティーとして運用を行う予定です。 ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。
セミナー情報3
コンピュータセキュリティシンポジウム2019(長崎)が2019年10月21日(月) ~ 10月24日(木)で開催されます。
こちらですが、OSSセキュリティ技術の会も後援になっており、オープンソースソフトウェア(OSS)セキュリティ技術トラック(略称:OWSトラック) も用意しております。