こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/04/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-18683)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-14814)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-16714)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-14821)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-14835)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(Critical: CVE-2019-15504, CVE-2019-15505)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2019-18683 | Linux Kernel <= 5.3.8 | | |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-18683
- ローカルユーザによる特権昇格の可能性
- 5.3.8までのvividドライバ(drivers/media/platform/vivid)に問題(vivid_stop_generating_vid_cap(), vivid_stop_generating_vid_out(), sdr_cap_stop_streaming()での誤ったmutexロックによるuse-after-free)があり、ドライバがロードされている場合には、/dev/video0にアクセスできるローカルユーザが特権昇格できる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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