こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/06/2020にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2020-8647, CVE-2020-8648, CVE-2020-8649)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2020-8428)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2020-7053)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-18282)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-19332)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-19947)
Cisco TalosによるLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-5108)
Linux Kernelの権限昇格の脆弱性情報(CVE-2019-19241)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19813, CVE-2019-19814, CVE-2019-19815, CVE-2019-19816)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-8647 | Linux Kernel < 5.5.2 | https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=206359 | ||
CVE-2020-8648 | Linux Kernel < 5.5.2 | https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=206361 | ||
CVE-2020-8649 | Linux Kernel < 5.5.2 | https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=206357 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8647
- use-after-freeの脆弱性
- drivers/tty/vt/vt.c中のvc_do_resize()関数にはuse-after-freeの脆弱性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8648
- use-after-freeの脆弱性
- drivers/tty/n_tty.c中のn_tty_receive_buf_common()関数にはuse-after-freeの脆弱性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8649
- use-after-freeの脆弱性
- drivers/video/console/vgacon.c中のvgacon_invert_region()関数にはuse-after-freeの脆弱性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-8647
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=206359
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
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今回は、KeycloakやmidPointをテーマとし、さらに、Red Hat系のディープな技術者が集まるカンファレンスであるdevconf.czが1月末に開催され、最新のコンテナセキュリティからKeycloakまでセキュリティに関するトピックも扱われました。devconf.czに参加・講演して得られた情報の共有もいたします。
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