こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/10/2020にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-14385)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの特権昇格の脆弱性情報(Important: CVE-2020-14386)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2020-15780)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2020-10757)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-10751)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2020-10711)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2020-12888)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-10741)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2020-12768, CVE-2020-12769, CVE-2020-12770, CVE-2020-12771)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-14385 | Linux kernel < 5.7.7 | [PATCH] xfs: fix boundary test in xfs_attr_shortform_verify | RedHat: 6.2 Moderate | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14385
- DoSの可能性
- 5.9-rc4より前のLinux Kernelでは、XFSのメタデータの検証機構に生涯が発生すると、ユーザが作成できる有効な拡張属性を持つinodeが破損しているというフラグが建てられる可能性があります。これにより、ファイルシステムがシャットダウンしたり、再マウントするまでアクセスができなくなったりして、DoSを引き起こす可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2020併設のワークショップ、 OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2020の企画講演セッション及び、 一般論文セッションの発表募集をさせていただきます。
今年度はオンラインでの開催となります。奮ってのご投稿、お待ちしております。