こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/29/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3347)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-27835)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2020-36158)
Linux Kernelに複数の脆弱性(Moderate: CVE-2020-29660, CVE-2020-29661)
Linux Kernelに権限昇格の脆弱性(Moderate: CVE-2020-29534)
Linux Kernelに権限昇格の脆弱性(Moderate: CVE-2020-14351)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-27786)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-25704)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-3347 | Linux Kernel <= 5.10.11 | Linux Kernel: local priv escalation via futexes | Red Hat: 7.4 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3347
- 特権昇格の可能性
- 5.10.11までのLinux KernelのPI futexesには、失敗処理でkernelスタックにuse-after-freeの問題があり、ローカルのユーザがkernel内でコードを実行することができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。