こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/22/2021にLinux Kernelの脆弱性(CVE-2021-28950, CVE-2021-28951, CVE-2021-28952)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-28660)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3411)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20268)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-27364, CVE-2021-27365, Moderate: CVE-2021-27363)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-20226)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-28950 | Linux Kernel < 5.11.8 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.11.8 | ||
CVE-2021-28951 | Linux Kernel < 5.11.8 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.11.8 | ||
CVE-2021-28952 | Linux Kernel < 5.11.8 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.11.8 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-28950
- “CPUのストール”の発生
- Linux Kernelの5.11.8までのバージョンに脆弱性が見つかりました。dfs/fuse/fuse_i.hに問題があり、同じBad inodeを見つけようとループを何度も行ってしまうためCPUのストールが発生します。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-28951
- DoS(デッドロック)の可能性
- Linux Kernelの5.11.8までのバージョンに脆弱性が見つかりました。fs/io_uring.cに問題があり、SQPOLLスレッドを待機している際に同時にSQPOLLスレッドがstartシグナルを待機する状態になる可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-28952
- BoFの可能性
- Linux Kernelの5.11.8までのバージョンに脆弱性が見つかりました。sound/soc/qcom/sdm845.c予期しないport ID番号を受け付けた際にバッファオーバーフローが発生する可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-28950
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2021-28950
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-28950.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-28951.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-28952.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-28950.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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