Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3492, CVE-2021-3493)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

04/20/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3492, CVE-2021-3493)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-3492[CVE-2021-3492] Ubuntu shiftfs Linux kernel file system double free vulnerability

Red Hat: 5.1 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H

CVE-2021-3493[CVE-2021-3493] Ubuntu Linux kernel overlayfs fs caps privilege escalation

Red Hat: 7.4 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3492
    • Shiftfsの二重開放の問題
    • Linux Kernelに含まれるShiftfsにcopy_from_user()中の失敗を適切に処理していないという問題が見つかりました。これによりメモリが適切に開放されなかったり二重開放を起こす可能性があります。攻撃者はコレを用いてDoS(カーネルメモリ枯渇)を引き起こしたり、権限昇格を行うことができる可能性があります。
  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3493
    • ovelayfsのメモリ二重開放の問題
    • Linux Kernelに含まれるverlayfsでファイルシステム中のファイルのファイルケーパビリティ設定の評価をきちんと行わないという問題が見つかりました。Ubuntu kernelで特定の条件を満たすことで、攻撃者は特権昇格ができる可能性があります。

対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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