こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/19/2021にLinux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3609)が公開されました。Exploitに繋がる情報も公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-32078)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-34693)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3573)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3587)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20292)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-22543)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-33200)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20177)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-3609 | 2.6.25 <= Linux Kernel <= 5.13-rc6 | CVE-2021-3609: Race condition in net/can/bcm.c leads to local privilege escalation | Red Hat: 7.0 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3609
- 特権昇格の可能性
- 2.6.25から5.13-rc6までのLinux Kernelで、CAN BCMネットワーク・プロトコルの実装にバグが見つかりました。net/can/bcm.c中でbcm_op構造体とbcm_sock構造体が、bcm_rx_handler()が使用されている間にbcm_release()で開放されるという競合状態が発生することがあり、これを利用してローカルのユーザは特権昇格ができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
CVE-2021-3609: Race condition in net/can/bcm.c leads to local privilege escalation
https://github.com/nrb547/kernel-exploitation/blob/main/cve-2021-3609/cve-2021-3609.md
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