こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/06/2021にLinux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-35039)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-33624)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-0512)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3609)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-32078)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-34693)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3573)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3587)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20292)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-22543)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-35039 | Linux Kernel < 5.12.14 | Red Hat: 8.4 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-35039
- IMAによるKernelモジュール署名確認での実装の問題
- 5.12.14より前のLinux Kernelではkernel/module.c中でCID-0c18f29aae7cのように署名確認の問題がありました。Linux IMAでx86, arm, powerpcなどでIMA_APPRAISE_REQUIRE_MODULE_SIGSを有効にしている場合、すべてのKernelモジュールで署名がされている必要があります。IMAは現在、CONFIG_MODULE_SIGを有効にすることでinit_moduleを通じてロードされる際に、kernelモジュールが署名されているかを確認しています。MODULE_SIGが有効になっておらず、しかしながらbootの際に”module.sig_enforce=1″を引数としてコマンドラインに引き渡している際には、このモジュールの署名確認が有効になりませんでした。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
CM
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