Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-34556, CVE-2021-35477)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

08/02/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-34556, CVE-2021-35477)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-34556 Linux Kernel <= 5.13.7

[CVE-2021-34556,CVE-2021-35477] Linux kernel BPF protection against Speculative Store Bypass can be bypassed to disclose arbitrary kernel memory

Red Hat: 6.2 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N

CVE-2021-35477 Linux Kernel <= 5.13.7

[CVE-2021-34556,CVE-2021-35477] Linux kernel BPF protection against Speculative Store Bypass can be bypassed to disclose arbitrary kernel memory

Red Hat: 6.2 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-34556
    • hostOSのメモリ破壊の可能性
    • 5.13.7以前のLinux Kernelでは、保護メカニズムがBPFスタック上の初期化されていないメモリを無視してしまうことがあるため、非特権のBPFプログラムが投機的サイドチャネル攻撃を用いてkernelメモリから重要な情報を取得できてしまう可能性があることがわかりました。
  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-35477
    • hostOSのメモリ破壊の可能性
    • 5.13.7以前のLinux Kernelでは、ゼロ値のプリエンプションストア操作を挿入することにより、プリエンプトストアが「高速」で完了すると誤って想定されてしまいますが、この仮定が誤っている場合が幾つかあることから、非特権のBPFプログラムが投機的サイドチャネル攻撃を用いてkernelメモリから重要な情報を取得できてしまう可能性があることがわかりました。

対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内

CM

こちらで小学生の勉強支援サイトをオープンしました。算数のプリント(都度、自動生成)が無料でダウンロードできます。コンテンツは未だ少ないですが、徐々に増やしていきます。

セミナー情報1

コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2021併設のワークショップ、 OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2021の企画講演セッション及び、 一般論文セッションの発表募集をさせていただきます。

今年もオンラインでの開催となり、OWSトラックの一般論文セッションの論文募集(申込締め切り: 2021年08月02日(月))と企画セッションを行いますので,ご投稿とご参加よろしくお願いいたします。

https://www.iwsec.org/ows/2021/


タイトルとURLをコピーしました