こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
10/11/2021にLinux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-42252)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-41864)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3653)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20317)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-38300)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3752)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3744)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3715)
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-40490)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-42252 | Linux Kernel < 5.14.6 | Red Hat: 7.8 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-42252
- lpc-ctrlのmmap境界チェックの修正の可能性
- 5.14.6までのLinux Kernelで、drivers/soc/aspeed/aspeed-lpc-ctrl.c中のaspeed_lpc_ctrl_mmap()に問題が見つかりました。下記のように、比較チェック中でページ(vm_pgoff)をバイト(vm_start, vm_end)で使用し、かつ(リソースサイズを使用せずに)リソースアドレスを混合して使用しています。これによりローカルの攻撃者はAspeed LPCコントロールインターフェースにアクセスできるローカルの攻撃者はkernlのメモリを上書きすることが出来、これを利用して特権で命令を実行することができる可能性があります。
diff --git a/drivers/soc/aspeed/aspeed-lpc-ctrl.c b/drivers/soc/aspeed/aspeed-lpc-ctrl.c index c557ffd0992c7..55e46fa6cf424 100644 --- a/drivers/soc/aspeed/aspeed-lpc-ctrl.c +++ b/drivers/soc/aspeed/aspeed-lpc-ctrl.c @@ -51,7 +51,7 @@ static int aspeed_lpc_ctrl_mmap(struct file *file, struct vm_area_struct *vma) unsigned long vsize = vma->vm_end - vma->vm_start; pgprot_t prot = vma->vm_page_prot; - if (vma->vm_pgoff + vsize > lpc_ctrl->mem_base + lpc_ctrl->mem_size) + if (vma->vm_pgoff + vma_pages(vma) > lpc_ctrl->mem_size >> PAGE_SHIFT) return -EINVAL;
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、Linux セキュリティ対策最新ガイドが執筆・販売されています。
日々のメモを更新しています。
セキュリティ関係で気になったニュースの備忘録を兼ねたメモを更新しています。個別で情報出せるようになる前の簡単な情報・リンクなんかも載せていきます。
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