こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/06/2022にLinux Kernelの脆弱性(CVE-2022-43945)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について纏めます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2022-43750)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-3239)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2022-2977)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2022-43945 | CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-43945
- バッファーオーバーフローの脆弱性
- 5.19.17/6.0.2より前のLinux KernelのNFSD実装にバッファーオーバーフローの脆弱性が見つかりました。NFSDはそれぞれのスレッドがRPCバッファへの送受信で保持するページ数をトラックして一つのページ配列に統合しています。クライアントはRPCメッセージをTCP上でGarbage(ゴミ)データと共に送ることで強制的にバッファをshrinkさせることが出来ます。Garbageデータを含むRPCメッセージは仕様に従って正しく形成されハンドラに転送されます。NFSDの脆弱性があるコードでは、大きいサイズのリクエストを想定しておらず、割り当てられたバッファスペースを超えた書き込みが発生します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
日々のメモを更新しています。
セキュリティ関係ニュースを更新しています。個別で情報出せるようになる前の簡単な情報・リンクなんかも載せていきます。
a