こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/15/2019にIntelから「Microarchitectural Data Sampling (MDS)」に関するアドバイザリが出ました。新たなサイドチャネル攻撃の一種で、CVEとしては、CVE-2018-12126, CVE-2018-12127, CVE-2018-12130, CVE-2019-11091 がアサインされています。いずれもMedium以下で、CVSSスコアも3.8 – 6.5に留まっており、深刻度はそれほど高くないようです。インテルによると、これが悪用されたという報告は今の所無いそうです。今後、様々な実装での修正が予想されますので、こちらで取り上げてまとめます。
逐次情報は更新していく予定です。
2019/05/17更新:Red Hatの説明動画情報、SUSE、Ubuntu、Oracleの情報を追記しました。
[過去の関連リンク(最新10件)]
新たな攻撃手法(SMoTherSpectre) による情報の漏洩
新たなハードウェアに依存しないサイドチャネル攻撃(Page Cache Attacks)
複数のTLS実装でのCAT(Cache-like ATacks)の脆弱性 (RSA鍵交換の危険性)
Intel CPUの脆弱性( Portsmash : CVE-2018-5407 )
HW由来の脆弱性 (L1 Terminal Fault : CVE-2018-3615, CVE-2018-3620, CVE-2018-3624)
Priority/CVSS
- CVE-2018-12126
- CVSS v3 Base Score: 6.5 Medium
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
- CVE-2018-12127
- CVSS v3 Base Score: 6.5 Medium
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
- CVE-2018-12130
- CVSS v3 Base Score: 6.5 Medium
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
- CVE-2019-11091
- CVSS v3 Base Score: 3.8 Low
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
SW提供情報
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
脆弱性概要(詳細は一次情報源のサイトをご確認ください)
- Microarchitectural Data Sampling Advisory
- 新たなサイドチャネル攻撃の可能性: MDS(Microarchitectural Data Sampling)
現在加筆中です。
詳細は一次情報源を御確認ください。
主なディストリビューションの対応状況
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-12126
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-12127
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-12126
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-12127
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12126.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12127.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12130.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-11091.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-12126.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-12127.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報 1
2019/06/07 19:00に、「OSSセキュリティ技術の会 第五回勉強会 (副題:KeycloakとWebAuthnのツインシュートの巻)」と題しまして、勉強会を開催することになりました。
コミュニティ開発に携わる人が最前線を語ります。開発コミュニティへの要望welcomeです。
プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、 下記の通りとなります。奮ってご参加下さい。
セミナー情報2
2019/07/31 10:00-17:00で開催される、一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)様による有料ハンズオンセミナー「ハンズオンで学ぶ!クラウド時代の運用管理とセキュリティ対策 」にて当ブログの筆者「面 和毅」が講師を努めます。
本セミナーでは、大手ベンダーや外資系企業、ユーザー企業などでセキュリティの専門家として20年以上の経験を持ち、現在、セキュリティエバンジェリストとして活躍する講師が実体験を交えながら、クラウド上のサーバーを安価に守る方法を、演習をまじえ、具体的にお伝えします。
https://juasseminar.jp/seminars/view/4119290にて申し込みを行っております。奮ってご参加ください。
セミナー情報3
2019/05/30 18:00-22:00で、「「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーを行います。
このセミナーでは、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。
https://sios.connpass.com/event/129136/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。