こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/15/2020にModSecurity v3の脆弱性情報(High: CVE-2020-15598)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Modsecurityの脆弱性情報(CVE-2019-11387, CVE-2019-11388, CVE-2019-11389, CVE-2019-11390, CVE-2019-11391)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-15598 | ModSecurity v3.0.0, v3.0.1, v3.0.2, v3.0.3, v3.0.4 | CVE-2020-15598 – ModSecurity v3 Affected By DoS (Severity HIGH) | Vendor: 7.5 HIGH | Vendor: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-15598
- DoSの可能性
- ModSecurity v3.0.xは、アンカーがない正規表現処理と”capture”との組み合わせの処理に問題があり、特別に細工されたペイロードによりDoSが発生する可能性があります。
ModSecurity v2.xでは正規表現で最初にマッチしたところで終了していました。ModSecurity v3.0.xではこのふるまいが”グローバルマッチング”に変更されていました。これにより”capture”アクションでアンカーがない正規表現によりDoSが発生します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- 日経Linux 2020年9月号では、OSSセキュリティ技術の会により「やってはいけない大実験」という記事を執筆しています。
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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