MySQLの脆弱性(Oracle Critical Patch Update Advisory – Oct 2017)
)についてまとめてみます。
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
10月19日に月例のOracle の脆弱性が公開されました。今回はこの中のMySQLの脆弱性(CVE-2017-10424 , CVE-2017-5664 , CVE-2017-10155 , CVE-2017-3731 , CVE-2017-10379 , CVE-2017-10384 , CVE-2017-10276 , CVE-2017-10167 , CVE-2017-10378 , CVE-2017-10277 , CVE-2017-10203 , CVE-2017-10283 , CVE-2017-10313 , CVE-2017-10296 , CVE-2017-10311 , CVE-2017-10320 , CVE-2017-10314 , CVE-2017-10227 , CVE-2017-10279 , CVE-2017-10294 , CVE-2017-10165 , CVE-2017-10284 , CVE-2017-10286 , CVE-2017-10268 , CVE-2017-10365
)についてまとめてみます。
関連するCVE
情報源
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-10155
重要度 – Important
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Pluggable Auth
簡単に悪用可能な脆弱性により、認証されていない攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10165
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Replication
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10167
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Optimizer
簡単に悪用可能な脆弱性により、低い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10203
影響するバージョン:OSSではありません。6.9.9 and earlier
サブコンポーネント: MySQL Connector
OSSではありません。簡単に悪用可能な脆弱性により、認証されていない攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Server Connectorに対してPartial DoSを引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10227
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Optimizer
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10268
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.5.57 and earlier, 5.6.37 and earlier and 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Replication
悪用するのが難しい脆弱性ですが、高い特権を持っている攻撃者がMySQL Serverが実行されているインフラストラクチャにログオンすることを許可します。これにより、重要な情報にアクセスしたり、全てのMySQL Serverがアクセスできるデータに完全にアクセスすることが可能になります。
- CVE-2017-10276
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: FTS
簡単に悪用可能な脆弱性により、低い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10277
影響するバージョン:OSSではありません。6.9.9 and earlier
サブコンポーネント: MySQL Connector
OSSではありません。簡単に悪用可能な脆弱性により、認証されていない攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Server Connectorがアクセスできるデータに対して認証されていないupdate, insert, deleteを行うことが可能です。
- CVE-2017-10279
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Optimizer
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10283
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Performance Schema
悪用することが難しいですが、低い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10284
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.18 and earlier
サブコンポーネント: Stored Procedure
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10286
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.6.37 and earlier, 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: InnoDB
悪用することが難しいですが、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10294
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.18 and earlier
サブコンポーネント: Optimizer
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10296
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.18 and earlier
サブコンポーネント: DML
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10311
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: FTS
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10313
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Group Replication GCS
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10314
重要度 – Moderate
影響するバージョン: 5.6.37 and earlier , 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Memcached
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10320
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: InnoDB
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10365
重要度 – Low
影響するバージョン: 5.7.18 and earlier
サブコンポーネント: InnoDB
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverがアクセスできるデータに対する不正な挿入、更新、削除を行ったり、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10378
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.5.57 and earlier, 5.6.37 and earlier , 5.7.11 and earlier
サブコンポーネント: Optimizer
簡単に悪用可能な脆弱性により、低い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10379
重要度 – Moderate
影響するバージョン:5.5.57 and earlier, 5.6.37 and earlier , 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: Client Program
簡単に悪用可能な脆弱性により、低い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、重要なデータにアクセスしたり、MySQL Serverがアクセスできるデータに対して完全にアクセスすることが可能です。
- CVE-2017-10384
重要度 – Moderate
影響するバージョン: 5.5.57 and earlier , 5.6.37 and earlier , 5.7.19 and earlier
サブコンポーネント: DDL
簡単に悪用可能な脆弱性により、高い特権を持っている攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Serverを侵害する可能性が有ります。この攻撃により、MySQL Serverのハングやクラッシュの繰り返し(完全なDoS)を引き起こすことが可能です。
- CVE-2017-10424
影響するバージョン:OSSではありません。6.9.9 and earlier
サブコンポーネント: MySQL Enterprise Monitor: Monitoring: Web
OSSではありません。簡単に悪用可能な脆弱性により、認証されていない攻撃者が複数のプロトコルを通してネットワークにアクセスし、MySQL Enterprise Monitorに対して攻撃を行うことが可能です。攻撃者以外の人間との対話が必要になります。
- CVE-2017-3731
重要度 – Moderate
- CVE-2017-5664
重要度 – Important
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
Oracle Linux 6
Oracle Linux 7
SUSE
Ubuntu
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10155
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10165
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10167
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10227
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10268
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10276
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10279
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10283
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10284
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10286
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10294
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10296
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10311
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10313
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10314
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10320
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10365
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10378
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10379
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-10384
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3731
http://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-5664
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
Oracle Critical Patch Update Advisory – Oct 2017
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
セミナー情報
2017/11/29 19:00に、OSSセキュリティ技術の会 第二回勉強会を行います。
今回のテーマは新世代のOSS認証基盤です。
https://connpass.com/event/69314/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。