こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/25/2018にPHPの脆弱性情報(Important: CVE-2018-19518)が公開されています。すでにexploitも出回っており、この脆弱性を利用したインシデントも発生しているようですので、今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-19518
Important
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 5.3
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 8.1
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19518
- リモートの攻撃者によるOSコマンド実行の可能性
- 重要度 – Important
- PHPのimap_open()で使われるIMAP Toolkit 2007fでは、rshコマンドを引数インジェクションの防御無しに実行する(これはc-client/imap4r1.cのimap_rimap()関数とosdep/unix/tcp_unix.cのtcp_aopen()関数で行われます)ため、IMAPサーバ名が信頼できない入力の場合(すなわち、Webアプリケーションのユーザによって入力された場合)、rshが異なる引数を持つプログラムに置き換えられた場合、リモートの攻撃者が任意のOSコマンドを実行することが出来ます。例えば、(DebianとUbuntuのシステムにみられるように)rshがsshへのリンクの場合、攻撃はIMAPサーバ名が”-oProxyCommand”引数を含んでいる場合に成功します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。