こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/22/2020にphpMyadminの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-10802, CVE-2020-10803, CVE-2020-10804 )が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
phpMyadminの脆弱性情報(Serious(深刻): CVE-2020-5504)
phpMyadminの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-19617)
phpMyadminの脆弱性情報(Serious(深刻): CVE-2019-18622)
phpMyadminの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-12922)
phpMyAdminの複数の深刻な脆弱性情報(Severe(重大): CVE-2019-12616, Serious: CVE-2019-11768)
phpMyAdminに複数の深刻な脆弱性情報(Serious: CVE-2019-6798, Critical: CVE-2019-6799)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-10802 | 4.x: phpMyAdmin < 4.9.5, 5.x: phpMyAdmin < 5.0.2 | Vendor: Moderate | |
CVE-2020-10803 | 4.x: phpMyAdmin < 4.9.5, 5.x: phpMyAdmin < 5.0.2 | Vendor: Moderate | |
CVE-2020-10804 | 4.x: phpMyAdmin < 4.9.5, 5.x: phpMyAdmin < 5.0.2 | Vendor: Moderate |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-10802
- SQLインジェクション
- 4.9.5/5.0.2より前のphpMyAdminで、libraries/classes/Controllers/Table/TableSearchController.phpにおいてクエリ検索を行う際にパラメータが確実にエスケープされていないため、SQLインジェクションの問題が発生する可能性があることがわかりました。攻撃者は細工されたデータベースやテーブル名を生成することが出来ます。攻撃はユーザがその悪意のあるデータベースやテーブルに検索操作を行った際に発生します。
- 解決方法:4.9.5/5.0.2以上のバージョンに更新して下さい。詳しくは各ディストリビューションの指示に従って下さい。
- SQLインジェクション
- 4.9.5/5.0.2より前のphpMyAdminで、tbl_get_field.php と libraries/classes/Display/Results.phpを用いて結果を得て表示するようなXSS攻撃の引き金に使用できる、悪意のあるコードを埋め込めるようなSQLインジェクションの脆弱性が見つかりました。攻撃者がこれを悪用するためには、インスタンスを取得した際に、XSS攻撃のトリガーに出来るように特定のデータベーステーブルに細工されたデータを挿入できる必要があります。
- 解決方法:4.9.5/5.0.2以上のバージョンに更新して下さい。詳しくは各ディストリビューションの指示に従って下さい。
- SQLインジェクション
- 4.9.5/5.0.2より前のphpMyAdminで、libraries/classes/Server/Privileges.php と libraries/classes/UserPassword.phpにおいて現在のユーザ名を取得する際のSQLインジェクションの脆弱性が見つかりました。サーバにアクセスできる悪意のあるユーザは、細工されたユーザ名を作成することにより、そのアカウントを用いて悪意のある動作を実行することができる可能性があります。
- 解決方法:4.9.5/5.0.2以上のバージョンに更新して下さい。詳しくは各ディストリビューションの指示に従って下さい。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-10802
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。