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こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
08/10/2018にPostgreSQLの脆弱性情報(CVE-2018-10915, CVE-2018-10925)とアップデートが公開されました。PriorityとしてはLowですが、今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority/影響を受けるバージョン
Important
- CVE-2018-10915 (client)
影響を受けるバージョン: 9.3, 9.4, 9.5, 9.6, 10
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 8.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
- CVE-2018-10925 (core)
影響を受けるバージョン: 9.5, 9.6, 10
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 7.1
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:L/A:N
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-10915
- 特定のホスト接続パラメータによるクライアント側のセキュリティ防御の無効化
- 重要度 – Important
- libpq(他の接続ライブラリにも使用されている、PostgreSQLのクライアント接続API)で、再接続をする際に全ての接続状態変数をリセットしていなかったという問題が見つかりました。特に、パスワードが接続に必要かどうかを決定するような状態変数もリセットされていなかったため、dblinkやpostgres_fdwのようなlibpqを使用している機能を用いているユーザは、攻撃者からクライアント-サーバ間の接続をバイパスされてしまう可能性があります。
dblink又はpostgres_fdwエクステンションがインストールされているかどうかは、PostgreSQLのシェルで
\dx dblink|postgres_fdw
を実行することで確認できます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-10925
- INSERT … ON CONFLICT DO UPDATEでのメモリ開示と認証の消失
- 重要度 – Important
- CREATE_TABLEを実行できる攻撃者はupsert (INSERT … ON CONFLICT DO UPDATE)を実行することによりサーバメモリの任意のバイトを読むことが出来ます。デフォルトでは、全てのユーザがこれを実行することが出来ます。INSERT特権とUPDATE特権を少なくとも1つのカラムに対して持っているユーザは、viewとupsertクエリを使って他のカラムをupdateすることが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-10915.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-10925.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。< /p>
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を参考にして下さい。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 1
2018年10月22日から10月25日のCSS(Computer Security Symposium)2018で、「OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2018特別セッション」 と題しまして、OSSセキュリティ技術の会後援で特別セッションを開催します。
https://www.iwsec.org/ows/2018/index.htmlにプログラム内容と一般論文申し込みの詳細を載せていきますので、是非御確認下さい(ページは更新中です)。