こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/09/2019にPostgreSQLの脆弱性情報(CVE-2019-10127, CVE-2019-10128, CVE-2019-10129, CVE-2019-10130)とアップデート(PostgreSQL 11.3, 10.8, 9.6.13, 9.5.17, 9.4.22)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority/影響を受けるバージョン
Important
- CVE-2019-10127 (packaging)
影響を受けるバージョン: 9.4, 9.5, 9.6, 10, 11
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 7.0
- Vector: AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- CVE-2019-10128 (packaging)
影響を受けるバージョン: 9.4, 9.5, 9.6, 10, 11
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 7.0
- Vector: AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- CVE-2019-10129 (core server)
影響を受けるバージョン: 11
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 6.5
- Vector: AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N
- CVE-2019-10130 (core server)
影響を受けるバージョン: 9.5, 9.6, 10, 11
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 3.1
- Vector: AV:N/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10127
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10128
- BigSQL/EnterpriseDB WindowsインストーラがACLエントリをクリアしない
- BigSQL/EnterpriseDB WindowsインストーラがACLエントリをクリアしないため、非特権のWindowsユーザアカウントと非特権のPostgreSQLアカウントがPostgreSQLサービスアカウントに任意のコードを実行させることが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10129
- パーティションルーチンでのメモリ漏洩
- 今回のリリースによる修正前は、PostgreSQL 11を実行しているユーザは、特別に細工されたパーティションテーブルへのINSERTステートメントを実行することにより、サーバメモリの任意のバイトを読み出すことが出来ます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10130
- 行セキュリティポリシの迂回
- 今回のリリースによる修正前は、特定の列を読み取る権限を使用してSQLクエリを実行できるユーザは、カラムからサンプリングデータを全て読み出すことが出来るリーク演算子を作成できました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2019-10127
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2019-10128
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-10127.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-10128.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-10129.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-10130.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。< /p>
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を参考にして下さい。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
PostgreSQL 11.3, 10.8, 9.6.13, 9.5.17, and 9.4.22 Released!
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