こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/22/2021にPowerDNSの脆弱性(High: CVE-2021-36754)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去リンク(最新5件)]
PowerDNSの脆弱性情報(High:CVE-2019-3871)
PowerDNS Recursorの複数の脆弱性情報(Low:CVE-2019-3806 , Medium:CVE-2019-3807)
PowerDNSの複数の脆弱性情報(Low:CVE-2018-14663 , Medium:CVE-2018-16855)
PowerDNSの脆弱性情報(Medium: CVE-2018-10851, CVE-2018-14626, CVE-2018-14644)
PowerDNS Recursorの複数の脆弱性情報(Low:CVE-2019-10162 , Medium:CVE-2019-3807)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-36754 | PowerDNS Authoritative version 4.5.0 (alpha/beta/rc1/rc2を含む) | security advisory 2021-01 for PowerDNS Authoritative Server 4.5.0 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-36754
- DoSの可能性
- PowerDNS Authoritative Server 4.5.0(alpha/beta/rc1/rc2を含む)ではQTYPE 65535のクエリを受け取った際に境界外例外を起こしクラッシュします。問題のコードは4.5.0より前のバージョンには存在しないため、前のバージョンは影響を受けません。
緩和策
すぐに更新が出来ないユーザでdnsdistを持っている場合には、dnsdistのフィルタを用いてaddAction(QTypeRule(65535), RCodeAction(DNSRCode.REFUSED))のような危険なクエリをフィルタすることで緩和することが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
CM
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