こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
10/23/2019にPythonのurllib2の脆弱性情報(CVE-2019-18348)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
PythonのDocXMLRPCServer.pyの脆弱性情報(CVE-2019-16935)
Pythonの脆弱性情報(High: CVE-2019-16056) – OSS脆弱性ブログ
Pythonのurlsplitの脆弱性情報(Important: CVE-2019-10160)
Pythonのurllib2の複数の脆弱性情報(CVE-2019-9947, CVE-2019-9948)
CVSS/プライオリティ
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS3 Base Score | CVSS3 Basic Metrics |
---|---|---|---|---|---|
CVE-2019-18348 | Python 2.7.17までのurllib2 / Python 3.8.0までのurllib | Red Hat: Moderate | Red Hat: 6.5 | Red Hat: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-18348
- CRLF インジェクション(IPA文書P.40)の脆弱性
- (例えば、urlopen()或いはHTTPConnectionを用いて)HTTP/HTTPS接続を行っている際に、PytohnのURL処理でCRLFインジェクションの脆弱性が存在することがわかりました。urllib/urllib2モジュールのurlopenメソッドにパスするURLパラメータを制御できる攻撃者は、これを利用してURLパートの”host”部分を侵害しHTTPヘッダにCRLFインジェクション攻撃を行うことができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
2019/10/29(火) 18:30-20:30に「「やってはイケナイ」をやってみよう 第3弾_in 大阪 」と題しましたセミナーを開催します。このセミナーでは、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。
また、(ゲリラ的にOSSセキュリティ技術の会の所属としてですが)先日サンディエゴで開催されましたLinux Security Summit 2019の情報共有も行う予定です。
プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、https://sios.connpass.com/event/148268/をご覧下さい。
皆様の申込みをお待ちしております。