QEMUの脆弱性( CVE-2016-9776 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
12/2に、QEMUの脆弱性についての情報が出ています。KVMやXenにも関わってきますので、今回は、この脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
関連するCVE
CVE-2016-9776
Priority
Medium
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
ColdFire Fast Ethernet Controller エミュレータをサポートしているQEMU上で、悪意のあるゲストOS管理者による、ホストOSへのDoS攻撃の能性
重要度 – Medium
ColdFire Fast Ethernet Controller emulatorをサポートしてビルドされているQEMUで、’mcf_fec_receive’パケットを受け取って処理している時に無限ループに陥る可能性が有ります。悪意のあるゲスト管理者はこれを利用してホストOSにDoS攻撃を行うことが可能になります。
CVE-2016-9776
主なディストリビューションの対応方法
virtioや仮想化に関するパッケージのバージョンを更新する必要があります。
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
ubuntu
openSUSE/SUSE
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-9776.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を参考にして下さい。
また、ホストOSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Re: [Qemu-devel] [PATCH] net: mcf: check receive buffer size register va
Bug 1400829 – Qemu: net: mcf_fec: infinite loop while receiving data in mcf_fec_receive