こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/25/2018にrubyの脆弱性情報(Important: CVE-2018-16395, Moderate: CVE-2018-16396)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-16395
Important
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 9.1
- Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:N
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7.4
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:H/A:N
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-16396
Moderate
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4.8
- Vector: AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:L
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 5.9
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:H/A:N
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://www.ruby-lang.org/ja/news/2018/10/17/openssl-x509-name-equality-check-does-not-work-correctly-cve-2018-16395/
- CVE-2018-16395: OpenSSL::X509::Name の同一性判定が機能していない脆弱性について
- 重要度 – Important
- (引用) Ruby の標準添付ライブラリ openssl では OpenSSL::X509::Name クラスによって X.509 証明書で用いられる形式の名前データを扱うことができます。 ところが、このクラスのインスタンス同士を比較した場合、データの内容によっては、本来一致とみなされるべきではないものが一致しているとみなされてしまうという脆弱性が発見されました。 この脆弱性は、CVE-2018-16395 として登録されています。
- https://www.ruby-lang.org/ja/news/2018/10/17/not-propagated-taint-flag-in-some-formats-of-pack-cve-2018-16396/
- CVE-2018-16396: Array#pack および String#unpack の一部のフォーマット指定においてtaintフラグが伝播しない脆弱性について
- 重要度 – Moderate
- (引用) Array#pack および String#unpack の一部のフォーマット指定において、元データの taint フラグが適切に出力文字列・配列に対して伝播しないという脆弱性が発見されました。 この脆弱性は、CVE-2018-16396 として登録されています。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-16395.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-16396.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 1
2018/11/05 19:00に、「2018年秋のBPFまつり」と題しまして、OSSセキュリティ技術の会 第四回勉強会を行います。
今回のテーマはBPF(Berkeley Packet Filter)になります。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/103763/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。
セミナー情報 2
2018/11/14 17:00に、「NGINX MeetUp Tokyo #1」を行います。
今回はNGINX .conf 2018 現地参加者より最新情報を共有させて頂きます。
https://nginx-mj.connpass.com/event/103617/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。