Sambaにリモートからのコード実行の脆弱性(CVE-2017-7494)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/24/2017にsambaの脆弱性情報(CVE-2017-7494)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important/High
影響範囲
3.5.0以降のバージョンのSamba
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-7494
悪意のあるリモートのクライアントによるコード実行の可能性
重要度 – Important/High
悪意のあるクライアントが、書き込み可能な共有へのSharedライブラリのアップロードを行うことにより、サーバにそれをロードさせて実行することが可能です。
緩和方法
Red Hatのサイト(https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-7494)によると、以下のいずれかの方法で緩和が可能です。ただし、あくまでバージョンアップまでの暫定回避策になり、さらにsmbdの再起動が発生します。
設定を変えることになるので、既存環境に影響があるかなど充分な検証が必要です。そのため、可能な限りアップデートをお薦めします。
SELinuxを有効にする。
Sambaで使われている書き込み可能な共有を”noexec”オプションでマウントする。
smb.confの[global]セクションに
nt pipe support = no
を追加してsmbdを再起動する。(ただし、この場合WindowsクライアントがSambaを用いて行っていた事に影響がある可能性があります)。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7494.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.samba.org/samba/security/CVE-2017-7494.html
セミナー情報
5/31-6/2に行われる「Open Source Summit Japan 2017」の中で、本ブログの執筆者である面 和毅が講演を行います。
6/1 11:50-12:30に行われる「OSS CVE Trends」というセッションで講演を行いますので、参加される方は是非お立ち寄り下さい。
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