広範囲のSambaに複数の脆弱性(CVE-2017-14746, CVE-2017-15275)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/21/2017にSambaの複数の脆弱性情報(CVE-2017-14746, CVE-2017-15275)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important(CVE-2017-14746)/Moderate(CVE-2017-15275)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-14746
Use-after-freeの脆弱性
重要度 – Important
対象バージョン:4.0.0以降のSambaの全バージョン
4.0.0以降のSambaの全バージョンにUse-after-freeの脆弱性が見つかりました。悪意のあるSMB1リクエストが割当を解除したヒープポインタを通じてヒープメモリのコンテンツを操作することが出来ます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-15275
サーバのヒープメモリの情報漏えいの可能性
重要度 – Moderate
対象バージョン:3.6.0以降のSambaの全バージョン
3.6.0以降のSambaの全バージョンで、ヒープメモリの情報漏えいの脆弱性が見つかりました。サーバが割り当てたヒープメモリがクリアされずにクライアントに返される可能性が有ります。
このエラーに関連した既知の脆弱性はありませんが、クリアされていないヒープメモリには、以前に使用されたデータが含まれている可能性があり、攻撃者が他の方法でサーバーを攻撃するのを助ける可能性があります。 暗号化されていないヒープメモリには、パスワードハッシュやその他のデータが含まれている可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-14746.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15275.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.samba.org/samba/security/CVE-2017-14746.html
https://www.samba.org/samba/security/CVE-2017-15275.html
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