こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/01/2019にSambaで使われるldbの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3824)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Sambaの複数の脆弱性(CVE-2018-1139, CVE-2018-1140, CVE-2018-10858, CVE-2018-10918, CVE-2018-10919)
Sambaに複数の脆弱性(CVE-2018-1050, CVE-2018-1057) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
広範囲のSambaに複数の脆弱性(CVE-2017-14746, CVE-2017-15275) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Sambaに複数の脆弱性(CVE-2017-12150, CVE-2017-12151, CVE-2017-12163) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
一次情報源
Bug 13773 – (CVE-2019-3824) CVE-2019-3824 [SECURITY] ldb: Out of bound read in ldb_wildcard_compare
Priority
- CVE-2019-3824
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 6.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- Bug 13773 – (CVE-2019-3824) CVE-2019-3824 [SECURITY] ldb: Out of bound read in ldb_wildcard_compare
- Samba AD DCのshared LDAPサーバプロセスのクラッシュの可能性
- 重要度 – Moderate
- LDAP search 式の取扱に問題が見つかり、Samba AD DCのshared LDAPサーバがクラッシュする可能性が有ります。LDAPサーバに対してreadのパーミッションを持っている認証されたユーザは、この問題を利用してDoSを引き起こす事が出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Bug 13773 – (CVE-2019-3824) CVE-2019-3824 [SECURITY] ldb: Out of bound read in ldb_wildcard_compare
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。