こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/19/2019に、予告通りSambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12435, CVE-2019-12436)と修正バージョン(4.10.5, 4.9.9)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-16860)と修正バージョン(4.10.3, 4.9.8, 4.8.12)
Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3870, CVE-2019-3880)と修正バージョン(4.10.2, 4.9.6, 4.8.11)
Priority
- CVE-2019-12435
Moderate/Medium
- CVSS v3 Base Score: 6.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- CVE-2019-12436
Moderate/Medium
- CVSS v3 Base Score: 6.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2019-12435
- 認証されたユーザにより、NULLポインタ被参照でSamba AD DCのRPCサーバプロセスをクラッシュさせることが出来る可能性
- 重要度 – Moderate/Medium
- 影響を受けるバージョン: Samba 4.9.8以前 / 4.10.4以前
- dnsserverのRPCパイプは、DNSレコードとゾーンを変更できる、ファシリティ管理を提供します。認証されたユーザはRPCサーバプロセスをNULLポインタ被参照によりクラッシュすることが出来ます。
- 迂回方法: smb.confファイルで
'dcerpc endpoint servers = -dnsserver'
を指定してSambaを再起動することにより、dnsserverタスクを停止することで迂回することが可能です。
- CVE-2019-12436
- LDAPディレクトリへの読み込み権限のあるユーザがpaged search controlを使うことでNULLポインタ被参照を引き起こすことが出来る可能性
- 重要度 – Moderate/Medium
- 影響を受けるバージョン: Samba 4.9.8以前 / 4.10.4以前
- LDAPサーバへ読み込み権限のアクセスを出来るユーザはLDAPサーバのプロセスをクラッシュすることが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12435.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12436.html
- SUSE/openSUSE
- Arch Linux
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
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セミナー情報2
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このセミナーは前回の「「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーの再演で、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。
https://sios.connpass.com/event/134622/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。