こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/23/2020にSquidの複数の脆弱性情報(CVE-2019-12519, CVE-2019-12521, CVE-2020-11945)と新バージョン(4.11/5.0.2)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13345)
Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-19131, Important: CVE-2018-19132)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
Squid 3.x -> 3.5.28, Squid 4.x -> 4.10, Squid 5.x -> 5.0.1 | |||
CVE-2020-11945 | Squid 2.x -> 2.7.STABLE9, Squid 3.x -> 3.5.28, Squid 4.x -> 4.10, Squid 5.x -> 5.0.1 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-11945
- HTTPダイジェスト認証での複数の問題の問題
- Squidの整数オーバーフローのバグにより、HTTPダイジェスト認証トークンに対するクレデンシャル再生とリモートコード実行の攻撃に対しての脆弱性があります。
- 緩和方法:”auth_param digest”をsquid.confから削除するか、Squidを”–disable-auth-digest”、又は”–disable-auth”オプション付きでリビルドすることにより、脆弱性を迂回することが出来ます。
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12521
- ESIレスポンス処理中の複数の問題
- バッファー処理に問題があり、SquidがESIレスポンスの処理を行う際に、キャッシュポイズニングやリモートコード実行、DoS攻撃に対しての脆弱性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2019-12519
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12519.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12521.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-11945.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2019-12519.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:1
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。