Tomcat に特権昇格の脆弱性 ( Red Hat : CVE-2016-5425 , Debian : CVE-2016-1240 )
今回は、これらの脆弱性情報と各ディストリビューションの対応についてまとめてみます。
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
10/10に、Red Hat系のTomcatに関して脆弱性の情報が出ています。今回は、この脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2016-5425
Red Hat : Tomcat上の悪意のあるWebアプリケーションによる特権昇格の可能性
重要度 – Important
Tomcatパッケージによってインストールされた/usr/lib/tmpfiles.d/tomcat.conf ファイルがtomcatグループにより書き込み可能なことが発見されました。これを利用することにより、tomcatグループのメンバー、或いはTomcat上の悪意のあるWebアプリケーションによる特権昇格の可能性があります。
- CVE-2016-1240
Debian : Tomcat上の悪意のあるWebアプリケーションによる特権昇格の可能性
重要度 – Important
Tomcatパッケージによってインストールされたinitスクリプト ファイルを利用することにより、ローカルのユーザがcatalina.outファイルを利用して特権昇格を行う可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
CVE-2016-5425
影響なし(Red Hatとその派生のディストリビューションが対象なため)
CVE-2016-1240
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
CVE-2016-5425
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-5425
修正パッケージ
https://rhn.redhat.com/errata/RHSA-2016-2046.html
CVE-2016-1240
影響なし(Debianとその派生のディストリビューションが対象なため)
OracleLinux
CVE-2016-5425
http://linux.oracle.com/errata/ELSA-2016-2045.html
http://linux.oracle.com/errata/ELSA-2016-2046.html
CVE-2016-1240
影響なし(Debianとその派生のディストリビューションが対象なため)
ubuntu
CVE-2016-5425
影響なし(Red Hatとその派生のディストリビューションが対象なため)
CVE-2016-1240
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-1240.html
openSUSE
CVE-2016-5425
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-5425
CVE-2016-1240
影響なし(Debianとその派生のディストリビューションが対象なため)
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://legalhackers.com/advisories/Tomcat-RedHat-Pkgs-Root-PrivEsc-Exploit-CVE-2016-5425.html