こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/12/2019にtomcatの複数の脆弱性情報(CVE-2019-12418, CVE-2019-17563)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[関連リンク(最新5件)]
Apache Tomcatの脆弱性情報 (Important: CVE-2019-10072)
Apache Tomcatの脆弱性情報 ( Low/Moderate: CVE-2019-0221)
Apache Tomcat for Windowsの脆弱性情報 ( Important: CVE-2019-0232 )
一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2019-12418 | 9.0.0.M1 – 9.0.28, 8.5.0 – 8.5.47, 7.0.0 , 7.0.97 | RedHat: 7.4 MEDIUM | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H | |
CVE-2019-17563 | 9.0.0.M1 – 9.0.29, 8.5.0 – 8.5.49, 7.0.0 – 7.0.98 | RedHat: 5.9 Low | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12418
- ローカルの権限昇格
- TomcatがJMX Remote Lifecycle Listenerで構成されている場合、Tomcatプロセスまたは構成ファイルにアクセスできないローカルの攻撃者は、RMIレジストリを操作して中間者攻撃を実行し、アクセスに使用されるユーザー名とパスワードを取得できます。 その後、攻撃者はこれらの資格情報を使用してJMXインターフェイスにアクセスし、Tomcatインスタンスを完全に制御できます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-17563
- 一部のメモリ上のコンテンツの不適切な開示
- FORM認証を使用する場合、攻撃者がセッション固定攻撃を実行できる可能性がある狭いウィンドウがありました。悪用が実用的となるにはウィンドウが狭すぎると考えられていましたが、注意を払うため、この問題はセキュリティの脆弱性として扱われます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12418.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-17563.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。