こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
Xen (x86)で公開されている複数の脆弱性の情報(XSA-264: CVE-2018-12891 / XSA-265: CVE-2018-12893 / XSA-266: CVE-2018-12892)に関して、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
脆弱性一覧
XSA | CVE ID | Priority | 概要 |
---|---|---|---|
XSA-264 | CVE-2018-12891 | Moderate | x86 PV MMの取扱でのpreemptionチェックのバイパスによるDoS |
XSA-265 | CVE-2018-12893 | Moderate | ゲストによるx86: #DB例外の発生 |
XSA-266 | CVE-2018-12892 | Moderate | HVMのSCSIディスクエミュレートでlibxlがreadonlyフラグの取得に失敗する |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- XSA-264: CVE-2018-12891
x86 PV MMの取扱でのpreemptionチェックのバイパスによるDoSの可能性
重要度 – Moderate
悪意のある、あるいはバグのあるPVゲストが全てのホストに対してDoSを引き起こします。
- XSA-265: CVE-2018-12893
ゲストによるx86: #DB例外の発生
XSA-260の修正のためにXenライブロッキングを防止するためにでデバッグ例外を 伴ったセーフティーチェックが加えられました。しかし運の悪いことに見落としがあったため、少なくとも1つのセーフティーチェックがゲストによって引き起こすことができます。
重要度 – Moderate
HVMのSCSIディスクエミュレートでlibxlがreadonlyフラグの取得に失敗する
libxlがSCSIディスクに付けられたreadonlyフラグをqemuにパスするのに失敗することがあります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-12891
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-12891
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12891.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12893.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12892.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://xenbits.xen.org/xsa/advisory-264.html
https://xenbits.xen.org/xsa/advisory-265.html
https://xenbits.xen.org/xsa/advisory-266.html
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
セミナー情報
2018年07月13日 (金) 19:00から、「OSSセキュリティ技術の会 第三回勉強会 (副題:”Keycloak”で、”認証王”に!!!おれはなるっ!!!!)」 と題しまして、OSS認証基盤のKeycloakに特化した話をさせて頂きます。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/90917/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。