こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/15/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-18282)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-19332)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-19947)
Cisco TalosによるLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-5108)
Linux Kernelの権限昇格の脆弱性情報(CVE-2019-19241)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19813, CVE-2019-19814, CVE-2019-19815, CVE-2019-19816)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19767, CVE-2019-19768, CVE-2019-19769, CVE-2019-19770)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19767, CVE-2019-19768, CVE-2019-19769, CVE-2019-19770)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-19807)
Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19447, CVE-2019-19448, CVE-2019-19449)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2019-18282 | 4.3 <= Linux Kernel < 5.3.10 | https://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/stable/linux.git/commit/?id=55667441c84fa5e0911a0aac44fb059c15ba6da2 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-18282
- デバイストラッキングの可能性
- 4.3から5.3.10までのLinux Kernelでは、flow_dissector機能にデバイストラッキングの脆弱性が存在します。UDP IPv6パケットの自動flowlabelが32-bit hashmd値に依存しており、(siphashに代わり)jhashが使用されています。hashmd値は起動時に残っており、攻撃者に寄って推測が可能になっています。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-18282.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。