こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/28/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20317)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-38300)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3752)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3744)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3715)
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-40490)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-20317 | Linux Kernel < 5.4-rc1 | Red Hat: 4.4 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
緩和策
次のように、KVMモジュールをロードする際のパラメータを修正することで、この問題を緩和できます。
rmmod kvm_intel kvm
modprobe kvm pi_inject_timer=0
modprobe kvm_intel
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20317
- DoSの可能性
- Linux Kernelのlib/timerqueue.c中のtimerqueue_add()関数には、破損したtimerツリーによりtaskのwakeup処理に問題が生じる箇所がありました。この脆弱性に依り、特別な特権を使用している攻撃者はDoSやシステムを停止させることができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
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- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
日々のメモを更新しています。
セキュリティ関係で気になったニュースの備忘録を兼ねたメモを更新しています。個別で情報出せるようになる前の簡単な情報・リンクなんかも載せていきます。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2021併設のワークショップ、 OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2021の企画講演セッション及び、 一般論文セッションの発表募集をさせていただきます。
今年もオンラインでの開催となり、OWSトラックの一般論文セッションのと企画セッションを行いますので,ご参加よろしくお願いいたします。