Linux Kernelに脆弱性(Important: CVE-2022-32250 (CVE-2022-1966は重複のためMITREによりRejected) )

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

05/31/2022にLinux Kernelに脆弱性(Important: CVE-2022-32250 (CVE-2022-1966は重複のためMITREによりRejectされました) )が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2022-32250

Subject: Linux Kernel use-after-free write in netfilter

Red Hat: 7.8 Important

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-32250
    • Use-After-Freeの問題
    • Linux Kernelの5.18.1までで、Netfilter実装中のnet/netfilter/nf_tables_api.cでNET_STATEFUL_EXPRチェックに問題があり、Use-After-Freeが発生することがわかりました。これを利用してローカルの(user/netネームスペースにcreate出来る権限を持つ)攻撃者は特権昇格できる可能性があります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

[参考]

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