Sambaに権限昇格の脆弱性(CVE-2017-11103)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/11/2017にsambaの脆弱性情報(Orpheus’ Lyre : CVE-2017-11103)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important/High
影響範囲
4.0.0以降のSamba
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://www.orpheus-lyre.info/
MITM(中間者攻撃)によるドメインでの権限昇格の可能性
重要度 – Important/High
Samba 4.0.0で組み込まれたHeimdal Kerberosを使用している場合、HemdalのOrpheus’ Lyre KDC-REP service name validationの脆弱性を使用することにより、MITMを使用した攻撃者がドメインでの権限を昇格させる可能性が有ります。
このOrpheus’ Lyre KDC-REP service name validationの脆弱性はSamba意外にもMicrosoftやFreeBSDなどにも影響していますので、確認していただくほうが良いと思います。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-11103.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.orpheus-lyre.info/
https://www.samba.org/samba/security/CVE-2017-11103.html
講演内容募集案内
2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。
https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/
講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。
セキュリティに関してのトピックは
FLOSS Security
Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit)
Cryptography
Vulnerability management
となってます。御応募を是非お願い致します。
セミナー情報
7/27(水)に「OSSセキュリティナイターvol.6」と題して、セキュリティのセミナーを行います。この回では、『SELinuxの現状とLinuxセキュリティ』と題してSELinuxの最新動向から実際の効果を、デモを交えて説明致します。
今回も、前回に引き続き、ゲスト講師をお招きし講演をいただきます。
https://connpass.com/event/61395/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。