(SAML第4回:最終回) GoogleをIdPとして使用してApache+mod_auth_mellonを繋げてみる

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

SAML環境のテストのために、SimpleSAMLphpやmod_auth_mellonを使って簡易IdP / SPをセットアップしました。今回は最終回の「GoogleをIdPとして使用してApache+mod_auth_mellonを繋げてみる」を纏めます。

なお、この記事は2021年4月時点での設定方法であり、将来(主にGoogle側の)設定が変更される可能性がありますのでご了承ください。



環境

  • IdP(Google)

    基本的な設定方法はこちらにあるとおりです。

  • SP(第三回で作成したものを使用)
    • OS: CentOS 7.9(最新にyumで更新)
    • Apache: 2.4.6-97(最新のものをyumから取得)
    • PHP: 7.3.27(remiから取得)
    • SP ホスト名:mellon.example.net
  • 前提
    • mellon.example.net/saml_test
    • mellon.example.net/cgi-bin

    のいずれかにアクセスする際にSAMLで連携してIdPの認証を使用する。

1. Google IdP側の設定

以下、こちらのGoogleのサポートドキュメントに載っている方法に従います。

  • 管理コンソールから「アプリ」を開きます。
  • 「ウェブアプリとモバイルアプリ」をクリック
  • 「アプリを追加」->「カスタムSAMLアプリの追加」を選択
  • 「アプリ名」はユニークな好きな名前を入れます。アイコンも登録できます。
  • IdPメタデータをダウンロードします。このファイル(GoogleIDPMetadata.xml)をmod_auth_mellonが設定されているSP上にコピーします。
  • ACS及びEntity IDを設定します。前述の通り、mod_auth_mellonをセットアップする際に”mellon_create_metadata.sh Entityid endpoint”の形式で実行したものでACSはendpointの末尾に/postResponseを加えたものになります。
  • 属性は特に変更しません。
  • アプリをセットアップした後に、「ウェブアプリとモバイルアプリ」画面から追加したアプリを選択し、使用権限を付加します。
  • 最終的にACS及びEntity IDの設定はこうなっています。

2.SP側の設定

ターミナルを開いて、SP上のauth_mellon.confファイル(Ubuntu・Debianの場合は/etc/apache2/mods-enabled/auth_mellon.conf)を編集し、MellonIdPMetadataFileとして、ダウンロードしたGoogleIDPMetadata.xmlファイルを指定します。


<Location />
MellonEndpointPath "/mellon"
MellonIdPMetadataFile /etc/apache2/saml/GoogleIDPMetadata.xml
MellonSPPrivateKeyFile /etc/apache2/saml/https_mellon.example.net_sp.key
MellonSPCertFile /etc/apache2/saml/https_mellon.example.net_sp.cert
MellonSPMetadataFile /etc/apache2/saml/https_mellon.example.net_sp.xml
AuthType "Mellon"
Require valid-user
MellonEnable "auth"
</Location>

3. SPのテスト

https://mellon.example.net/cgi-bin/printenv.cgiにアクセスすると、Googleのアカウント選択が呼び出されます(図は複数アカウントを持っているときのものになります)。

まとめ

今回まででSimpleSAMLphp及びmod_auth_mellonを用いてSSO連携する方法の紹介を終わります。またSSOに関して面白いものがありましたら取り上げていきますのでご期待ください。


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