こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/30/2018にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2018-12928 , CVE-2018-12929 , CVE-2018-12930, CVE-2018-12931 )が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12928
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12929
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12930
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12931
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12928
NULLポインタ非参照とカーネルパニックの可能性
重要度 – Moderate
4.15.0のLinux Kernelで、hfs.ko中のhfs_ext_read_extent()にNULLポインタ非参照が見つかりました。細工されたhfsファイルシステムをマウントした際にカーネルパニックが発生します。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12929
use-after-free読み込みとDoS(カーネルoopsかパニック)の可能性
重要度 – Moderate
4.15.0のLinux Kernelで、ntfs.ko中のntfs_read_locked_inode()に問題が有り、細工されたntfsファイルシステムをマウントした際にuse-after-free読み込みを発生させたり、カーネルパニックを発生させることが出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12930
スタックベースの境界外書き込みとDoS(カーネルoopsかパニック)の可能性
重要度 – Moderate
4.15.0のLinux Kernelで、ntfs.ko中のntfs_end_buffer_async_read()に問題が有り、細工されたntfsファイルシステムをマウントした際にスタックベースの境界外書き込みを発生させたり、カーネルパニックを発生させることが出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12931
use-after-free読み込みとDoS(カーネルoopsかパニック)の可能性
重要度 – Moderate
4.15.0のLinux Kernelで、ntfs.ko中のntfs_attr_find()に問題が有り、細工されたntfsファイルシステムをマウントした際にスタックベースの境界外書き込みを発生させたり、カーネルパニックを発生させることが出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-12928
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-12929
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12928.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12929.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12930.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12931.html
SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-12928.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-12929.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12928
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12929
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12930
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12931
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