こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/01/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(High: CVE-2019-10124, Critical: CVE-2019-10125)が公開されていました。遅くなりましたが、今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3874)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-7221, Low: CVE-2019-7222)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-9213)
Priority
- CVE-2019-10124
High
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4.4 Moderate
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:L
- Red Hat Customer Potal
- NVD
- CVSS v3 Base Score: 7.5 High
- Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
CVSS Severity (version 2.0):
- CVSS v2 Base Score: 7.8 High
- Vector: (AV:N/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:C)
- SuSE
- CVE-2019-10125
High
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- NVD
- CVSS v3 Base Score: 9.8 CRITICAL
- Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
CVSS Severity (version 2.0):
- CVSS v2 Base Score: 10.0 HIGH
- Vector: (AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10124
- DoS(BUG)の可能性
- 重要度 – Important
- 5.0.4より前のmm/memory-failure.c中のhwpoisonの実装に問題が見つかりました。pmdが分割された後にthp tailページでsoft_offline_in_use_page()が実行されたときに、攻撃者はDoS(BUG)を引き起こすことが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10125
- use-after-freeの可能性
- 重要度 – Low
- 5.0.4を含むLinux Kernelのfs/aio.c中のaio_poll()に問題が見つかりました。vfs_poll()関数からreturnした後に、予想されるイベント(すなわち、パイプのペアがクローズされるなど)が迅速に行われた場合、aio_poll_wake()によってファイルがリリースされるかもしれず、これがuse-after-freeを引き起こします。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2019-10124.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2019-10125.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。