Linux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19447, CVE-2019-19448, CVE-2019-19449)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

12/08/2019にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2019-19447, CVE-2019-19448, CVE-2019-19449)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョンPriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2019-19447Linux Kernel = 5.0.21
CVE-2019-19448Linux Kernel = 5.0.21, 5.3.11
CVE-2019-19449Linux Kernel = 5.0.21

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-19447
    • use-after-freeの問題
    • 5.0.21ではfs/ext4/super.c中のdump_orphan_listに問題があり、細工されたext4ファイルシステムイメージをマウントして特定の動作を行いアンマウントすることによりuse-after-freeが発生する問題があります。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-19448
    • use-after-freeの問題
    • 5.0.21と5.0.31では細工されたbtrfsファイルシステムイメージをマウントして特定の動作を行いアンマウントすることによりfs/btrfs/free-space-cache.c中のtry_merge_free_spaceでuse-after-freeが発生する問題があります。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-19449
    • slab境界外読み込みの問題
    • 5.0.21では細工されたf2fsファイルシステムイメージをマウントすることによりfs/f2fs/segment.c中のf2fs_build_segment_managerでslab境界外読み込みが発生する問題があります。


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内

セミナー情報1

OSSセキュリティ技術の会では、2019/12/13(金) 19:00-21:00に「OSSセキュリティ技術の会 第七回勉強会(副題:君がッ泣くまで入力をやめないッ! ~Linuxカーネルの高度な試験自動化技術と バグハンティングの巻~)」と題して、「syzkaller/syzbot」をテーマに勉強会を開催することになりました。

Linux カーネルのソースコードカバレッジを活用した高度な試験自動化技術について話していただきます。

プログラム内容と申し込みの詳細についてはこちら(connpass)を御確認下さい。

セミナー情報2

12/23(月) 19:00から21:00で、恵比寿のRed Hat様(会場)「RHEL好きの集い」コミュニティによるイベント「RHEL好きの集い Vol.2.1 」を開催致します。

今回は”〜RHEL8のライブカーネルパッチとUBIを深堀り〜”と題しまして、RHEL8.1から正式サポートになりましたkpatchと、UBIを深堀するイベントとなります。

プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、こちら(connpass)を御確認下さい。


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