Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20292)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

05/28/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20292)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-20292 < 5.9

Bug 1939686 (CVE-2021-20292) – CVE-2021-20292 kernel: DRM Memory Management Double Free Privilege Escalation Vulnerability

Red Hat: 6.7 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20292
    • 特権昇格の可能性
    • 5.9より前のLinux Kernelでは、drivers/gpu/drm/nouveau/nouveau_sgdma.c中のnouveau_sgdma_create_ttm()に問題が有ることがわかりました。これによりオブジェクトに対して何かを実行する前の特定の検査ができなくなる可能性があります。攻撃者はこれを利用してローカルのアカウントをroot権限で動かし、kernelと同レベルのコードを実行できてしまう可能性があります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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