Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20317)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

09/28/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20317)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-20317 Linux Kernel < 5.4-rc1

Bug 2005258 (CVE-2021-20317) – CVE-2021-20317 kernel: timer tree corruption leads to missing wakeup and system freeze

Red Hat: 4.4 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

緩和策

次のように、KVMモジュールをロードする際のパラメータを修正することで、この問題を緩和できます。


rmmod kvm_intel kvm
modprobe kvm pi_inject_timer=0
modprobe kvm_intel

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20317
    • DoSの可能性
    • Linux Kernelのlib/timerqueue.c中のtimerqueue_add()関数には、破損したtimerツリーによりtaskのwakeup処理に問題が生じる箇所がありました。この脆弱性に依り、特別な特権を使用している攻撃者はDoSやシステムを停止させることができる可能性があります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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