こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/24/2022にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-1729)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-1280)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2022-0995)
Linux KernelのRemote DoSの脆弱性(Important: CVE-2022-0742)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2022-0847 (Dirty Pipe))
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2022-0492)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2022-1729 | CVE-2022-1729: race condition in Linux perf subsystem leads to local privilege escalation | Red Hat: 7.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-1729
- ローカルの権限昇格の可能性
- 5.4.193以上のLinux Kernelでは、perfサブシステムに競合が発生することがあり、これによりローカルユーザが権限昇格をできる可能性があります。
主要なディストリビューションでは、perfを非特権ユーザに使用させないようになっているため、本脆弱性の影響を受ける可能性は少ないです。
- 迂回方法
$ sudo /sbin/sysctl -w "kernel/perf_event_paranoid=3"
を実行することにより、非特権のユーザがperfサブシステムを使用できないようにすることが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
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