こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
08/08/2022にLinux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2022-2590 )が公開されました。Dirty COW (CVE-2016-5195)と似たような脆弱性になりますが、共有メモリ(shmem/tmpfs)に限定されています。と今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2022-36946 )
Linux Kernelに脆弱性(Moderate: CVE-2022-2380 )
Linux Kernelの脆弱性( CVE-2022-34918 )
Linux Kernelに脆弱性(Important: CVE-2022-32250 (CVE-2022-1966は重複のためMITREによりRejected) )
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-1516)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2022-2590 | CVE-2022-2590: Linux kernel: Modifying shmem/tmpfs files without write permissions | Red Hat: 7.0 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-2590
- 非特権ローカルユーザによるメモリへの書き込みアクセスの問題
- Linux KernelのメモリサブシステムがCopy-on-write(COW)を処理する際に競合状態が発生する可能性があることがわかりました。これによりプライベートのread-only共有メモリマップに非特権のローカルユーザが書き込みを行うことができる可能性があります。これを利用してローカルの攻撃者はシステム上で特権を得ることができる可能性があります。
- この脆弱性は、Dirty COW(CVE-2016-5195)に似ていますが、共有メモリ(shmem/tmpfs)に限定された問題です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
日々のメモを更新しています。
セキュリティ関係ニュースを更新しています。個別で情報出せるようになる前の簡単な情報・リンクなんかも載せていきます。
CFP情報 1
CSS2022の論文投稿およびデモ展示・ポスター発表募集のご案内です。みなさまからのご投稿・ご発表をお待ちしております。
コンピュータセキュリティシンポジウム2022 (CSS2022)
■開催期間 2022年10月24日(月) ~ 2022年10月27日(木)
■会場 熊本城ホールとオンライン(ZOOM)のハイブリッド開催
■募集スケジュール
- 2022年08月12日(金) 論文発表申込締切(アブストラクト)
- 2022年08月23日(火) 17:00 デモ展示・ポスター発表申込締切
- 2022年08月23日(火) 17:00 最終原稿締切(カメラレディ)
主催 一般社団法人 情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)
共催 一般社団法人 情報処理学会 セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)
合同開催
- マルウェア対策研究人材育成ワークショップ2022(MWS2022)
- プライバシーワークショップ2022(PWS2022)
- ユーザブルセキュリティワークショップ2022(UWS2022)
- OSSセキュリティ技術ワークショップ2022(OWS2022)
- ブロックチェーンセキュリティワークショップ2022(BWS2022)