こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/08/2020にUPnPデバイスに関する脆弱性情報(CallStranger : CVE-2020-12695)が公開されています。PoCも併せて公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の記事(最新5件)]
Intell CPUの脆弱性 (Voltage modulation vulnerability : CVE-2019-11139)
Intell CPUの脆弱性 (TSX Asynchronous Abort (TAA): CVE-2019-11135)
関連情報/ブログ/ニュース
Universal Plug and Play (UPnP) SUBSCRIBE can be abused to send traffic to arbitrary destinations
動画:CallStranger CVE-2020-12695 Vulnerabilities & How To Protect & Mitigate Against Attacks
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-12695 | 2020-04-17以前のOpen Connectivity FoundationのUPnP規格 | | |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-12695
- データ漏洩/可能性
- CallStranger脆弱性と呼ばれるUPnPデバイスの脆弱性が発見されました。これを利用して(DLP/borderセキュリティをきちんと行っていても)データを漏洩させたり、ネットワークをスキャンしたり、DDoS攻撃を加えることが可能になります。
この脆弱性 – CallStranger -はUPnP SUBSCRIBE関数のヘッダー値のコールバックによって生じます。この脆弱性を利用することにより、攻撃者がSSRFライクな攻撃が出来るようになります。この脆弱性は
- DLPやネットワーク・セキュリティをバイパスしてデータを流出させる
- 何万ものUPnPデバイスを用いて、増幅された(Amplified) TCP DDoSを行うことが出来る
- インターネットに繋がっているUPnPデバイスを通じて内部のポートをスキャンする
等に使用することが可能です。
この脆弱性はプロトコルの脆弱性のため、ベンダーがパッチを提供するには時間がかかると予想されます。詳しくはhttps://kb.cert.org/vuls/id/339275を確認して下さい。
PoC
一時情報源(CallStranger CVE-2020-12695)にGitHubへのリンクがあります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
wpa/hostapd:
対処方法
各ディストリビューション/ベンダーの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。