こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
当初予告されていた通り、02/26/2019にOpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-1559)と修正版(OpenSSL 1.0.2r)が公開されています。また、こちらは脆弱性ではなくバグフィックスですが、同時にOpenSSL 1.1.1bも出ています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
OpenSSLの今後のバージョン体系(3.0.0以降)とApache License 2.0の採用
OpenSSLの新バージョン(Low: 1.1.1a/1.1.0j/1.0.2p)リリース
OpenSSLに関しての脆弱性情報 ( Low: CVE-2018-0734, CVE-2018-0735 )
OpenSSLの脆弱性 ( CVE-2018-0739, CVE-2018-0733 ) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Priority
- CVE-2019-1559
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4
- Vector: AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:C/C:L/I:N/A:N
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 6.8
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
- NVD
- CVSS v3 Base Score: 5.9 Medium
- Vector: AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N
- CVSS v2 Base Score: 4.3 Medium
- Vector: (AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:N/A:N)
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-1559
- 0バイトレコードパディングオラクル
- 重要度 – Moderate
- 修正版:OpenSSL 1.0.2r
- アプリケーションが致命的なプロトコルエラーになりSSL_shutdown()を二回コールした時(一度目はclose_notifyを送り、一度目は受信になった場合)、OpenSSLは0バイトレコードで不正なパディングを含んでいる場合と、0バイトレコードで不正なMACをを受け取る場合の、異なるアプリケーションに応じる事が出来できます。アプリケーションがこのような状態に陥っていることをリモートのピアから検出できる場合には、このパディングオラクルを復号化データとして使用できます。これが悪用可能であるためには”non-stitched”な暗号化アルゴリズムが使われている必要が有ります。Stitch化されている暗号化スイートは、一般的に使用されている特定の暗号スイートの最適化されたアルゴリズムです。(参照:Improving OpenSSL Performance: Published on May 26, 2015 (Intel))。また、アプリケーションがプロトコルエラーが怒った場合でもSSL_shutdown()を二回コールする必要があります(アプリケーションはこれを行うべきではありませんが、行うものも存在します)。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。