こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/12/2019にPythonの脆弱性情報(CVE-2019-9636)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
影響のあるバージョンの情報が間違っていました。@tenforwardさん、ご指摘ありがとうございます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Python ParamikoをSSHサーバとして用いている際の脆弱性(Critical: CVE-2018-1000805)
python-paramikoの脆弱性(CVE-2018-7750) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Pythonの脆弱性(CVE-2017-17522) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
CPython(Python)の脆弱性(CVE-2017-1000158) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2019-9636 | 2.7.16以前の2.7.x系, 3.7.2以前の3.x系 | – | – |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-9636
- 情報(credentials、cookies等)の漏洩の可能性
- NFKC正規化を行っている際に、Unicodeエンコーディング(不正なnetloc)の操作に問題がありました。問題のあるコンポーネントはurllib.parse.urlsplit, urllib.parse.urlparseになります。攻撃方法としては、特別に細工されたURLによりcookiesや認証データが不正にパースされ、情報を異なるホストに送ってしまう可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。