こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/12/2021にsudoの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-23239, CVE-2021-23240)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
sudoの脆弱性情報(Important: CVE-2019-18634)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2021-23239 | sudo < 1.9.5 | :Red Hat: 6.2 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N |
CVE-2021-23240 | sudo < 1.9.5 | Red Hat: 6.3 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-23239
- sudoeditを用いたディレクトリ存在情報漏えいの可能性
- 1.9.5までのsudoにふくまれるsudoeditでは、sudo_edit.cにあるユーザが操作できるディレクトリの競合状態を利用して、ローカルの非特権ユーザが任意の存在するディレクトリの存在をテストすることができる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-23240
- SELinuxがPermissiveモードになっている際のsudoeditpwfeedbackが有効になっている場合のバッファーオーバーフローの可能性
- 1.9.5までのsudoにふくまれるsudoeditでは、SELinuxがシステムで有効になっていてPermissiveモード(setenforce 0等)にしている時にsudoeditを許可されているユーザが任意のファイルのオーナーを任意に変更することが出来ます。詳細な情報は Symbolic link attack in SELinux-enabled sudoedit に記載されています。
- 緩和策:以下のいずれかを実施することで緩和できます。
- SELinuxをEnforcingモード(有効)にすることで緩和できます。
- /proc/sys/fs/protected_symlinksを1にすることで問題を緩和できます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-23239.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-23240.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。