Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-11810, CVE-2019-11811)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

05/09/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-11810, CVE-2019-11811)が公開されていました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

  • CVE-2019-11810

    Low(SuSE), High(NVD)

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 3.9
      • Vector: AV:L/AC:H/PR:H/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
      • CVSS v3 Base Score: 7.5 High
      • Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
      • CVSS v2 Base Score: 7.8 High
      • Vector: (AV:N/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:C)
  • CVE-2019-11811

    Low(SuSE), Critical(NVD)

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 3.9
      • Vector: AV:L/AC:H/PR:H/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
      • CVSS v3 Base Score: 9.8 CRITICAL
      • Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
      • CVSS v2 Base Score: 10.0 HIGH
      • Vector: (AV:N/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-11810
    • DoSの可能性
    • 重要度 – Low(SuSE), High(NVD)
    • 5.0.7より前のLinux Kernelで、drivers/scsi/megaraid/megaraid_sas_base.c中のmegasas_alloc_cmds()で、as_create_frame_pool()が失敗した際にNULLポインタ非参照が発生することがわかりました。これはuse-after-freeに関係しDoSを引き起こします。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-11811
    • use-after-freeの可能性
    • 重要度 – Low(SuSE), Critical(NVD)
    • 5.0.4より前のLinux Kernelに問題が見つかりました。drivers/char/ipmi/ipmi_si_intf.c, drivers/char/ipmi/ipmi_si_mem_io.c, drivers/char/ipmi/ipmi_si_port_io.cに関係するもので、ipmi_siモジュールが削除された後に/proc/ioportsへreadアクセスを行うとuse-after-freeを引き起こします。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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