12/16/2022にLinux Kernelで、Kernel Page Table Isolation(KPTI)下でKALSRを破る脆弱性(EntryBleed: Important: CVE-2022-4543)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について纏めます。
[過去関連リンク(最新5件)]
- Linux KernelのnfsでリモートDoSの脆弱性(Important: CVE-2022-4379)
- Linux KernelのSYSCTLサブシステムでスタックオーバーフローの脆弱性(Important: CVE-2022-4378)
- Linux Kernelのksmbdの脆弱性(Critical: CVE-2022-47939, CVE-2022-47940, CVE-2022-47942, Moderate: CVE-2022-47938, CVE-2022-47941)
- Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-4127, CVE-2022-4128, CVE-2022-4129)
- Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2022-45884, CVE-2022-45885, CVE-2022-45886, CVE-2022-45887, CVE-2022-45888)
CVSS/プライオリティ
- CVE-2022-4543
- 影響するバージョン
- N/A
- 一時情報源
- Priority
- Red Hat: 5.5 Imporntant
- CVSS Score / CVSS Vector
- Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N
- 影響するバージョン
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-4543
- Kernel Page Table Isolation(KPTI)下でKALSRを破る脆弱性(EntryBleed)
- will「at」willsroot.ioが、Linux KernelのKPTIの実装に問題が有り、ローカルの非特権ユーザがIntelベースのシステム上でKASLRを迂回する事が出来る可能性外有るのを発見しました。技術的には情報漏えいとなりますが、以前は悪用が難しいと考えられていた脆弱性についても深刻になる可能性があります。wll「at」willsroot.ioはこの脆弱性を“EntryBleed”と呼んでいます。
- 細かい詳細、また実際のデモの画面等は一時情報源のサイトにありますので、御確認下さい。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。